【1984年春センバツ】準決勝 大船渡高校vs岩倉高校|白球の足あと
2017/04/19

1984年 第56回春の選抜甲子園大会準決勝 大船渡高校vs岩倉高校
初出場で高校野球の聖地に歴史を作る2つの高校が準決勝で激突する。
この戦いに勝てば、初出場で紫紺の優勝旗を手に入れる大きなチャンス
となる。
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岩手県民の夢をのせて
初出場で高校野球の聖地に歴史を作る2つの高校が準決勝で激突する。
この戦いに勝てば、初出場で紫紺の優勝旗を手に入れる大きなチャンスとなる。
そのためには戦力以外にも必要な何かを手中に収めなければならない。
東北チャンピオンとして初の甲子園出場を果たした大船渡高校。
岩手県勢として初のベスト4入りまで果たした。
その要因は何と言っても1番に金野投手の素晴らしい制球力が上げられるだろう。
1回戦では秋の成績が無敗だった中国チャンピオンの多々良学園を散発5安打完封すると、2回戦では粘りの日大三島高校を6安打1失点にまとめた。
準々決勝では優勝候補である明徳義塾高校に対して3安打完封という素晴らしいピッチングを見せた。
この金野投手の安定感を支えるように、チャンスを確実に得点に結びつける打線が大船渡高校の快進撃となった。
岩倉特急、終点に向けて
こちらも初出場ながらベスト4進出を果たした岩倉高校。
秋の神宮チャンピオンの名に恥じぬ素晴らしい戦いぶりを見せつけた。
高い攻撃力と噂であった打線は大量得点とは行かないものの、チャンスに強烈な打球を放って投手陣を援護した。
1回戦ではレベルの高い広島県を制した近大福山高校に対して11安打を浴びせて勝利を呼び寄せた。
2回戦の金足農業高校戦でも10安打を放ち、好投手水沢を打ち崩した。
取手二高校との準々決勝では互いに乗ると手が付けられないチームの争いとなったが、終盤のワンチャンスを見事にものにして逆転勝ちを納めた。
1回戦ではトップバッターの宮間が長打を連発した。
2回戦では内田が強烈なスリーランを放った。
準々決勝では岩佐が逆転のツーベースを放つなど、日替わりでヒーローが飛び出す打線が岩倉高校の強さなのだろう。
この試合は誰がヒーローになるのか、非常に興味深い選手たちである。
1点さえあれば
1回の表、大船渡は3人が三振に斬られる。
岩倉の山口投手とすれば申し分ない立ち上がりとなった。
金野投手から得点するのが難しいと認識している山口投手とすれば気合いが入るのは当然の事であろう。
その裏、岩倉はトップの宮間がフォアボールを選ぶ。
しかし2番菅沢がダブルプレーとなり、チャンスには為らなかった。
両チームともにノーヒットで迎えた3回の表、大船渡はこの回先頭の7番平山が初ヒットを放つ。
続く8番吉田が送りバントを決めてランナー2塁と先制のチャンスを作った。
金野の出来から、先に得点を与えたくない山口投手は気合いで9番菅野をサードゴロに抑えた。
ここでさらに気合いの入っていたのは1番バッター木下。
木下は上手くセンター前にタイムリーヒットを放ち、大船渡に待望の1点が入った。
金野投手は明徳義塾戦のように安定感抜群で、5回終わって岩倉打線をヒット1本に抑えていた。
今日は菅沢
山口投手も先制された3回に2安打を許してから素晴らしいピッチングを披露し、大船渡に追加点のチャンスすら与えていなかった。
岩倉は6回裏、ツーアウトから1番宮間がフォアボールを選んだ。
続く2番菅沢は金野のクロスファイヤーに入ったストレートを見事に左中間に運び、同点のツーベースヒットとした。
トップの宮間の選球眼がまさに活かされた。
同点のまま試合は終盤にもつれ、9回に入った。
両エースの出来からして延長も考えられていたが、9回裏の先頭バッターは同点打を放っている菅沢。
菅沢は金野の内角ストレートが弱冠甘く入ったのを見逃さずにジャストミート。
打球はレフトポールギリギリに飛び込むサヨナラホームランとなった。
試合は岩倉高校が2-1で勝利した。
文 山口 元樹
高校野球好きの一人言
劇的な幕切れに言葉が出なかった試合でした。
点の取られにくい金野投手が敗れるとしたら、このような一撃しかなかったのかも知れませんね。
次はいよいよ決勝戦です。