【1984年春センバツ】決勝 PL学園vs岩倉高校|白球の足あと
2017/04/19

1984年 第56回春の選抜甲子園大会決勝 PL学園vs岩倉高校
選抜甲子園大会に出場した32校のうち、決勝に残れるのは2校のみ。
もちろん決勝進出するだけでも誉れ高いが、優勝と準優勝の差は大きい。
紫紺の優勝旗を手中に収めるのはどちらであろうか?
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夏春連覇なるか
選抜甲子園大会に出場した32校のうち、決勝に残れるのは2校のみ。
もちろん決勝進出するだけでも誉れ高いが、優勝と準優勝の差は大きい。
紫紺の優勝旗を手中に収めるのはどちらであろうか?
今大会ダントツの優勝候補であるPL学園。
昨年の池田高校に続く夏春連覇の偉業に王手がかかった。
また、出場している81年82年の選抜を連覇し、83年夏の大会も制してここまで来たことから、甲子園で20連勝中という常勝ぶりも達成している。
もちろんチームの中心はこの大会もエース桑田と4番清原の新2年生コンビ。
桑田は26イニングを投げて失点はわずかに1、打っても2ホーマーの活躍を見せている。
清原はここ2試合は快音が少ないものの、3本のホームランを放っている。
その二人を支えるのが史上最高と言われる固い守備陣であり、4試合で35得点を叩き出している打線である。
夏春連覇に向けて死角はない。
臆せず初出場初優勝へ
ダントツの戦力を誇るPL学園に立ち向かうのは初出場の岩倉高校。
走、攻、守、全てにおいて何枚も力が上にあるPL学園に対し、試合前の予想は不利の声が大多数であった。
まともに戦っても何点取られるか想像もつかないこの打線に対して、チームメイトは「20安打10得点まではOK」という明るい冗談をエース山口に伝えたそうだが、それが冗談にならないほど凄まじい攻撃力を持ったPL学園である。
しかし、そういった冗談が飛び出すほど岩倉高校もチームの雰囲気が良くて、これまで勝ち上がってきたのもPL学園には無い特殊な勢いという武器があった。
広島県王者の近大福山、東北大会準優勝の金足農業、関東チャンピオンの取手二高校、東北チャンピオンの大船渡高校と、これまで倒した相手もそうそうたるチームである。
相手がPL学園になろうともノビノビ野球で栄冠を目指す。
雨中の決勝戦
霧雨の中で始まった1回の表、PL学園はツーアウトから3番鈴木が強烈な打球をセカンドに放ち、これがセンター前ヒットになる。
4番の清原を迎え、早くも気の抜けない山口はパームボールを駆使して2ストライクに追い込み、最後はカーブで見事に三振に抑えた。
何せ1番から9番まで何処からでも1発が飛び出す打線なだけに真剣の上を歩くような緊張感の連続を味わう山口投手であった。
その裏、痛めている指の状態が懸念された桑田の立ち上がりは、1番宮間、2番菅沢といったうるさいコンビを素晴らしい落差のカーブで連続三振に斬った。
これはやはり点を取ることが非常に難しいと感じる素晴らしい桑田投手であった。
2回の裏、岩倉高校はワンアウトから5番内田がセンター前ヒットで出塁すると、続く6番岩佐がヒットエンドランを決めてランナー1、3塁のチャンスを作る。
今日の桑田の出来からしてこのチャンスをものにしたい岩倉であったが、7番武島のスクイズを桑田が見抜いてダブルプレーに仕止めた。
岩倉としては痛いイニングとなったが、山口投手も好投を続けて試合は投手戦となった。
岩倉超特急、終点到着
変化球中心のピッチングで的を絞らせない山口投手、特に要所で決まるパームボールが抜群であった。
強打のPL打線も凡打の山で、なかなかチャンスを見出だせない。
一方の桑田投手は伸びのあるストレートと、落差の激しいカーブがコントロール抜群で三振の山を築いていく。
7回の表、PLは初回に強烈なヒットを放っている3番鈴木から。
慎重になった山口はフォアボールを与えてしまい、ノーアウトのランナーを背負う。
ここで4番清原は送りバントを上手く決める。
ワンアウトランナー2塁とPLはチャンスを広げたが、4番の清原がバントするくらいPLは焦っていると感じた山口投手は逆にリラックスし、5番桑田、6番清水哲を外野フライに打ち取った。
8回の裏、岩倉は先頭の7番武島がライト戦にツーベースを放つ。
続く8番蓮場は強攻に出たがライトフライに倒れ、9番浅見は桑田にこの日14個目となる三振に斬られた。
ツーアウトとなり、トップの宮間に望みを託したがフォアボール。
続く2番菅沢は準決勝のラッキーボーイ。
構わず強気に勝負に出た1-1からの3球目、高目に入ったカーブを菅沢は強振、打球はライト前ヒットとなってセカンドランナー武島がホームインした。
打球が右中間に飛んだ事で、バックホームが遅れた事が岩倉にとって幸運であった。
PLは最終回、1番からの好打順であったが焦りから簡単にツーアウト。
ここでこの試合唯一ヒットを放っている3番鈴木は山口のストレートを改心の一撃。
打球はセンターにグングン伸びていき、アナウンサーも「大きい、大きい!」と絶叫したがバックスクリーン手前で振り返った岩佐のグローブに白球はすっぽりと収まった。
ここに1-0での岩倉の初出場初優勝が決まり、PLの夏春連覇の夢は砕かれた。
文 山口 元樹
高校野球好きの一人言
まさに奇跡の勝利となりました。
PL打線に山口投手は1安打完封という一世一代とも言えるピッチングを披露しました。
桑田投手がいくら奪三振を奪っても1番冷静だったのはエース山口選手だったようですね。
高校野球に絶対は無いという典型的な好ゲームでした。