【1984年夏の甲子園】2回戦 取手二高校vs箕島高校|白球の足あと
2017/04/19

1984年 第66回選手権大会2回戦 取手二高校vs箕島高校
今大会の初戦の中で屈指の好カードとなった取手二と箕島。
あのPLを追う実力の2校が対戦したこの試合は雨の中、
終盤に逆転劇が訪れた。
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東日本随一の実力高校
取手二高校と言えば今の主力が若い昨年から有力チームとして茨城県内で君臨し、昨年の選抜も経験していた。
木内監督が惚れ込んだ石田、吉田、佐々木、中島、桑原、下田の6人衆を中心にこの春もベスト8に進出して実力の片鱗は見せた。
選抜では故障に泣いたエース石田であったが、傷さえ癒えれば関東ナンバー1の投手。
打線も全国レベルの破壊力を持っているだけに優勝候補の1番手とされるのは必然である。
夏の予選に入り、石田と控えの柏葉の投手力と打線が噛み合って勝ち進む。
春の県大会で土を付けられた竜ヶ崎一高校との決勝戦も終わってみれば13-3と圧勝し、文句なしの代表となった。
選抜の岩倉高校のように理屈だけでは無い強さを持つ取手二は注目の1校である。
PLに次ぐ実力高校
この年の和歌山県は注目すべきチームが2校。
先ずは選抜でベスト4の都城と投げ合った森岡率いる和歌山工業が上げられる。
確かに都城に敗れはした。
しかし、サウスポー対決として投手の成績に目を向ければ森岡は田口に全く引けを取らなかった。
むしろ被安打も与四死球も上まっていたことから、和歌山県内でナンバー1左腕と呼ばれるのは必然である。
だがすんなり春夏連続出場とは行かないだろうと言われた理由はもう1校の対抗馬である箕島の高いレベルにある。
嶋田、杉本のダブルエースは共に140キロを越すストレートを持つ。
打線も昨年も活躍した勘佐を中心に粘り強い。
そして箕島と言えば神がかりの数々を見せてきた驚異的な力。
2強と言われたが、やや箕島が優位ではないかと言われていた。
夏の予選に入るとやはりその2校が勝ち進み、決勝を争うことになった。
注目された決勝は予想以上に箕島が投打に圧倒し、8-0と大勝した。
PLを倒せるのは箕島では?と言う声も聞こえるようになった。
初戦屈指の好カード
1回表、取手二の攻撃はうるさいトップバッター吉田。
箕島先発の嶋田はこの吉田を三球三振に仕止め、後続含めて三者凡退に抑えた。
その裏、取手二の先発は変則の柏葉。
木内監督とすれば奇襲に近いものを狙って柏葉に託したが、この柏葉が乱調。
2番田中にツーベースを打たれた後、牽制悪送球や暴投などで箕島に1点を献上してしまった。
木内監督は早くもエース石田にマウンドを託した。
しかしその石田も2回にワンアウトランナー1、2塁とピンチを招いてから2番田中にタイムリーヒットを浴びて2点目を追加された。
取手二は3回表、桑原のツーベースと小菅のヒットでワンアウトランナー1、3塁とチャンスを作るが後続が嶋田の速球と高速カーブを打てず、無得点に終わった。
箕島もその後、バントミスなどらしくない攻撃でランナーをホームに招く事が出来ず、2-0のまま試合は過ぎて行った。
雨の中のビッグイニング
7回裏に箕島が勘佐のツーベースで3点目を追加すると、嶋田の出来から試合は決まったかに思われた。
雨が強くなった8回表、取手二は桑原がエラーで出塁。
続く塙がスリーベースヒットを放って1点を返す。
9番小菅にフォアボールを与えた嶋田は雨の中で渋い表情を見せた。
続くトップの吉田はショートゴロに倒れたが、ダブルプレーが一転、悪送球になり2点目を追加され尚もランナー2塁とされる。
ここで2番佐々木が嶋田を完璧に捉えるタイムリーを放って同点にした。
箕島は嶋田をレフトに下げてマウンドに杉本を送ったが、3番下田が右中間に逆転のスリーベースを放った。
続く中島は犠牲フライを放ち、5点目を追加した取手二ベンチは試合も雰囲気もひっくり返した。
最終回、箕島はツーアウトから2番田中が打ち取られながらもエラーで出塁すると球場の雰囲気もまた変わった。
数々の奇跡を甲子園で見せてきた箕島だからこそである。
そしてラストバッター嶋田が放った打球はライトに高々と上がった。
誰もが同点2ランかと思ったが、打球は押し戻されるようにライト柏葉のグラブにおさまり試合終了となった。
試合は取手二が5-3で勝利した。
文 山口 元樹
高校野球好きの一人言
初戦の1番好カードは本当に勿体ない組み合わせでした。
最後は同点アーチかと思いました。
箕島はもう少し見たかったほど素晴らしい戦力を持っていました。