【1985年春センバツ】1回戦 報徳学園高校vs弘前工業高校|白球の足あと
2017/04/19

1985年 第57回春の選抜甲子園大会1回戦 報徳学園高校vs弘前工業高校
かたや地区大会優勝での選抜当確、かたや地区大会ベスト8での選抜選出。
しかしこの当時、地域レベルの差が激しい時代であったために戦前の予想は
非常に容易ではなかった。
だが東北チャンピオンの弘前工業が雪国のハンディを物ともせずに王者らし
く戦った。
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強豪高校、報徳学園
選抜大会及び選手権大会の両方で優勝経験のある報徳学園はこの大会も強豪チームを作って甲子園にやってきた。
打線の破壊力は凄まじく、チーム打率4割2分2厘は大会出場高校中でダントツのトップである。
秋の成績を見ていても17試合で16勝しているが、そのうち二桁得点が7試合もある。
あのPL学園を完封して一躍注目の的になった東洋大姫路高校にも10-6と打ち勝っている。
ちなみに東洋大姫路が10点を取られたのは報徳学園のみである。
これだけでも有力な事が理解出来るが、投手力も素晴らしく、左の松田が1.45、右の安田が1.91という安定の防御率。
唯一の敗退は近畿大会でのPL戦で1-2という競り合いであった。
この実績から、報徳学園が隠れ優勝候補と呼ぶ声も高まっている。
評価Cのチャンピオン
全国レベルにある宮城県代表の東北高校に完勝し、東北チャンピオンとなった青森県代表の弘前工業。
神宮大会においても1回戦を突破し、秋の戦績でも完封敗けは1度も無い。
しかし選抜出場チームの中では低評価に値されている。
その理由は何か?
やはり青森県代表の甲子園成績を見ればやむを得ないのかも知れない。
青森県代表が甲子園で白星を上げたのはこの年代から16年も遡る昭和44年である。
旋風を巻き起こした三沢高校以来、春も夏も1勝さえ上げていないのが寂しい評価に繋がっているのだろう。
チーム打率3割3分3厘も甲子園では疑問符が付けられるのかも知れないし、防御率2点台では不安視されている。
しかし、全国レベルにある東北高校を退ける力を甲子園で発揮出来れば相手が報徳学園と言え勝負になるだろう。
速攻、猛攻
1回の表、報徳学園はいきなりツーアウトながら満塁とした。
チーム打率ナンバー1の破壊力いきなりか、との雰囲気の中で弘前工業エース工藤は6番松裏を冷静にファーストゴロに抑えた。
その裏、弘前工業は1番進藤、3番鈴木と、いずれも内野ゴロの当たりを報徳内野陣が連続エラーし、1点を先制する。
すると5番対馬と8番工藤にタイムリーヒットが飛び出して一気に4点を奪った。
いきなり4点の援護で気負ってしまったか、弘前エース工藤は2回にフォアボールを連発してしまう。
このあと9番森のヒットで満塁とした報徳学園は1番新井のタイムリーツーベースで2点を返す。
続く2番宮本がスクイズを決めて3点目を返し、早くも1点差まで追い上げた。
あわやの善戦
すぐさま1点差に詰め寄ると、球場内は早くも報徳学園がいつ逆転するのかを期待する雰囲気になっていた。
しかし4回裏、弘前工業は2人が四死球を選んでワンアウトランナー1、2塁とすると、トップの進藤が右中間にタイムリーツーベースを放った。
続く滝淵がスクイズを決めて2点を追加し、3点差と突き放した。
このあと弘前エース工藤は報徳打線を抑え、中盤を終えた。
しかし強力打線の報徳は7回、ワンアウトランナー満塁と工藤投手を攻め立てる。
ここで4番北河が走者一掃のタイムリーツーベースを放って一気に同点とした。
ツーアウトになった後、松裏にセンター前ヒットが飛び出してランナーが生還し、報徳はこの回4得点をあげて逆転まで持っていった。
7回、8回、9回と弘前工業はヒットでランナーを出したものの、後続が断たれてゲームセット。
試合は報徳学園が7-6で勝利した。
文 山口 元樹
高校野球好きの一人言
弘前工業が報徳学園を上回るヒットを放ち、善戦しました。
工藤投手が10四死球と乱れながらも踏ん張った姿が印象的です。
しかし逆転の報徳、ここにありました。