【1985年夏の甲子園】2回戦 久留米商業高校vs延岡商業高校|白球の足あと
2017/04/25

久留米商業高校vs延岡商業高校
1985年 第67回選手権大会2回戦
互いに両エースが1回戦を完封している同士の対戦となった。
だからといって投手戦になるとは限らないが、この試合は良い意味で
裏切る予想以上に素晴らしい投手戦になった。
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変則投手が先輩を越える
2学年前に春夏甲子園出場を果たしている久留米商業は、選抜ベスト16と夏の選手権ベスト4という素晴らしい成績を残した。
その2学年前には、4番エースの山田武史(後に読売ジャイアンツ)という大黒柱の存在が大きかった。
特に選抜の1回戦で宇部商業の秋村謙宏(後に広島カープ)と投げ合った試合は知る人ぞ知る豪腕対決であったが、これを制したのは山田投手ならではこそであった。
ベスト4進出した夏に1年生ながらベンチ入りした秋吉投手はこの夏、1回戦で能代商業を3安打完封した。
この2回戦では偉大な先輩でも成し得ていない連続完封に挑戦する。
宮崎県下ナンバー1投手へ
宮崎県と言えば前年、春夏連続で甲子園出場を果たした都城高校がいた。
大型サウスポーの田口竜二(後に南海ホークス)を要して宮崎県内いや、甲子園大会でも1、2を争うサウスポー投手であった。
好投を続けた田口投手であったが、春夏合わせて甲子園5勝のうちに完封試合は1試合も無かった。
それだけで全国大会での完封ピッチングの凄さが理解出来るだろう。
この年の宮崎県ナンバー1投手である延岡商業の花田が前年の田口に比べるとスケール的にやや見劣りする評価であった。
しかし甲子園大会の1回戦、丸子実業との試合で見せた花田投手のピッチングは圧巻の一言に尽きた。
長野県で猛威を奮った丸子実業を相手に単打6本しか許さない6安打完封、外野に飛ばされた打球は9本というものであった。
打線はヒット5本に抑えられたが、少ないチャンスにヒットを集中したので、ヒット5本で3得点という効率の良い攻めが出来た。
ゼロの行進
互いのエースが1回戦を完封しているだけあるだけに、まずはランナーを出して様子を伺いたい両チームであった。
しかし1回の表、久留米商業の攻撃はセカンドゴロ、三振、サードゴロ。
1回の裏、延岡商業の攻撃はセカンドゴロ、三振、三振という結果に終わった。
共にキレのあるボールで凡打の山を築いていくタイプであるが、まさに真骨頂を象徴する立ち上がりとなった。
2回も両チームは三者凡退で、また互いに外野に打球が飛んでいない。
3回表、久留米商業は7番床島がセンター前ヒット。
続く光山が送りバントを決めてワンアウトランナー2塁とチャンス。
しかし花田投手の丹念な制球に後続は二者とも内野ゴロに終わった。
4回裏、延岡商業はトップの山下がチーム初ヒット。
2番小笠原が送ってワンアウトランナー2塁とチャンスを作る。
だが秋吉投手も負けていない。
3番宮田をショートゴロ、4番中村を三振に抑えて無得点に抑えた。
緊迫感の行方
3回表に初ヒットを許した花田投手は久留米商業打線にヒットを与えない。
5回表にデッドボールでランナーを出すものの、クイックモーションで盗塁を失敗させる技術も持っていた。
6回、7回も三者凡退に抑え、ヒットは1本のみという素晴らしいピッチングであった。
一方の秋吉投手は4回、5回、7回に単打を打たれているが、後続をキッチリ抑え、こちらも安定感抜群のピッチングを見せた。
8回も互いにヒットは生まれず無得点、ついにゼロvsゼロのまま最終回に突入する。
9回表、久留米商業はツーアウトから2番八谷がフォアボールで出塁。
ここで打席にはピッチャー秋吉。
秋吉はセンターオーバーのタイムリーツーベースで待望の先取点をあげた。
続く4番田中丈にもセンター前ヒットが生まれ、2塁から秋吉が身体の反り返るほどのヘッドスライディングを見せた。
9回裏、延岡商業は2本のヒットでツーアウトながらランナー1、3塁と最後まで粘るが秋吉投手が踏ん張り、久留米商業が2―0で勝利した。
文 山口 元樹
高校野球好きの一人言
素晴らしい投手戦になりました。
9回までゼロ行進の緊迫感は手に汗握ります。
花田投手も最後まで素晴らしく、秋吉投手は2試合連続完封という見事なピッチングでした。