【1986年春センバツ】2回戦 広島工業高校vs浜松商業高校|白球の足あと
2017/03/31

広島工業高校vs浜松商業高校
1986年 第58回春の選抜甲子園大会2回戦
この大会の出場高校の中で、予選成績の防御率が
ナンバー1である広島工業エース上田。
1回戦では完封ピッチングでその実力を見せた。
次はPLを粉砕した浜松商業戦であるが。
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貫禄さえ漂う上田
広島工業がこの年、有力チームとして名を馳せた理由の第1に投手力がある。
特にエース上田の打たれにくいピッチングは相手チームの脅威で、攻撃力自慢のチームでも攻略は難儀の一言。
ハイレベルにある広島県大会で残した防御率がこの大会でナンバー1ということ、前年の甲子園大会で上田投手は既にマウンドを経験していること。
この2つが要因となり、注目を浴びていた。
1回戦では九州の雄、鹿児島商業であった。
得点力に定評のある鹿児島商業であったが、上田投手は鹿児島商業打線を全く寄せ付けずに3安打完封。
四死球は0という完璧なピッチングであった。
あまりの安定感に、貫禄さえ漂う上田であった。
全国大会にもなると、どのチームも得点力がある。
しかし、上田投手から3点以上取ることは非常に難しいだろう。
見事に前年のリベンジを果たす
前年の同じ日、同じ試合時間、そして同じ相手に大敗を喫した浜松商業。
粘りの野球が伝統になった浜松商業にとって、前年の完敗はそれを覆されることであった。
調子の良くない桑田真澄(後に読売ジャイアンツ)に要所を抑え込まれ、清原和博(後に西武ライオンズ)にはホームランを打たれた。
ある意味、引き立て役となってしまった先輩たちの思いも胸に、新チームはこの一戦に挑んだ。
試合は序盤から浜松商業が相手のミスをチャンスに変えて長打を織り混ぜるような、まさにPLのお株を奪うような野球を展開する。
前年の超高校級のPLでは無いとは言っても、やはりPL相手という事の現実で萎縮してしまうのが通常の心情であるが、浜松商業は最後まで圧倒し、8―1という大差を付けてリベンジを果たしている。
強気のピッチング
3点以上取られる気がしないという強気の上田投手に対し、浜松商業はPL学園から8点をもぎ取る攻撃力を誇る。
まさに投手力と打撃力が試される一戦となった。
試合が動いたのは3回表、広島工業はこの回先頭の9番浦がレフト線にツーベースヒットを放ってチャンス。
続くトップの戌丸が大庭投手の高めに浮いたストレートを強振すると、打球はレフトの頭を越えるタイムリーツーベースとなった。
続く2番高津が送りバントを決めてランナー3塁とすると、3番竹下が意表をつくスクイズバントを見事に成功させて2点目を奪った。
立ち上がりからランナーを出す浜松商業ではあるが、要所にカーブを決める上田投手から得点を奪えずにいた。
点差以上の強さ
浜松商業の大庭投手も失点したあとは立ち直り、ゲームを作っていく。
4回裏、浜松商業はツーアウトから浦投手自らがスリーベースヒットを放つが後続が続かない。
5回、6回、7回と四死球からランナーを出すものの、あと1本が出ない浜松商業。
それは後半にカーブを狙い出した浜松打線に対して、上田投手が要所にストレートに多用したことにあるだろう。
このように展開の読みにも長けている上田投手に浜松打線は手こずった。
大庭投手も7回、8回とヒットを打たれるものの、粘りのピッチングで追加点は与えない。
それに答えるように浜松商業は8回裏、代打の清水が右中間にツーベースヒットを放つ。
すると続くトップの寺田がセンター前にタイムリーヒットを放ち、1点を返した。
しかしこのあとも上田投手が後続をピシャリと抑えた。
試合はこのまま広島工業が2―1で勝利した。
文 山口 元樹
高校野球好きの一人言
1点差でも、あと1点が遠く感じさせるのが上田投手の凄みでしょう。
浜松商業はPL戦で燃え尽きた訳では無く、広島工業が強かったのでしょう。